下町屋台三輪車
■説明板・・・
●伊王野温泉神社「付け祭」のいわれ
伊王野温泉神社の祭礼で、宵祭、本祭、裏祭と3日間行われている。昔は9月29日が本祭であったが、後に10月29日となり、現在は文化の日にあわせて11月3日が本祭、その前後が宵祭と裏祭になっている。この祭の期間に、おはやしを乗せた屋台を町中引き回し祭気分をもりあげている。祭がいつごろから始まったのかは不明であるが、祭ばやしの内容や形が江戸時代のものと似ており、伊王野の地が天領(幕府の直接支配地)であった頃に始められたのではないかと考えられている。屋台は、上町と下町にそれぞれあるが、それほど古いものではない。この屋台については、言い伝えがいくつかあり、その一つは、明治から大正にかけて宇都宮で山車を購入し、それを改造したという。現在の屋台は、御輿に似たもので、屋根の前後や前柱、勾欄などに彫り物があり、勇壮な山車となっている。上町のものは下町のものよりひとまわり大きく、祭当日、この屋台の中に、大太鼓(おうど)と小太鼓(つけとま)、笛、大小のつづみ、すり鉦など、最小7名の「はやし連」が乗り、祭ばやしをはやして町中をねり歩く。上町の屋台と下町の屋台がすれ違う時はお互いが競い合う、「であい」といい、祭ばやしが最高潮に達する。祭ばやしの曲目は、「かぞえ唄」「十二かぐら」「「花ばやし」など11曲目が伝承されている。いずれの曲目も高度な技術が要求され、祭が近づく数カ月前から練習を始め、子供たちも大人にまじって技術の習得、伝承に励んでいる。現在、上町はやし保存会、下町祭保存会が保存にあたっている。 |