■説明板・・・
●栃木県指定史跡 長岡百穴古墳 52基 昭和30年7月26日指定
凝灰岩露頭(ぎょうかいがんろとう)の斜面に掘り込まれた横穴群は、現在52基(東群44基、西群8基)が南を向いて開口している。しかし、重複して掘り込まれたものもあり、実際はもっと多くの墓穴があったことは確実である。これらの横穴の基本形態は、羽子板型の玄室から玄門を経て直接前庭部(ぜんていぶ)へ続くもので、羨道(せんどう)に当たるものはみられない。玄室の奥壁はアーチ型でほぼ垂直であり、玄門もほぼ同じ形で中央部が長方形にあけられている。玄門には扉石を嵌込んだ(はめこんだ)とみられる切り込みがあり、現在はないが、当時は、ほとんどの横穴に扉石があったであろう。この横穴群の造られた時期は明らかではないが、全国的に横穴群が広がった7世紀前半と位置づけるのが適当であり、群集墳のように家族墓的性格をもったものといえそうである。なお、現在各室に観音像等があるが、これは後世のものである。
栃木県教育委員会・宇都宮市教育委員会 |