■明王寺でいただいたパンフレットから
●那須三十三所観音霊場
およそ三百年前の天和二年、下野・白河の観音百堂を巡拝し、寺堂ごとに歌を献じた巡拝記「下野・陸奥百観音巡礼記」(大金重貞記)がある。それは、東国三十四、南三十三、西三十三観音の三コース、合わせて百寺堂(霊場)である。後に東三十四霊場の内、主な寺堂、その他、南、西霊場から選び合わされ、那須三十三観音霊場が組織された。大正、昭和初期までは、これら百観音、三十三観音巡拝は盛であったが、時の変遷とともに衰退してしまった。しばし時が過ぎ、十数年前、大いなる観音力により、以前のそれらを基とし、那須郡十市町村にわたる三十三ケ寺の結縁あって、現在の「那須三十三観音霊場」が再興された。上古代遺跡、那須連山、那珂川、そして那須野ケ原の大自然にいだかれたこの地こそ「観音霊場」の姿そのものである。観音様は「人の音(ことば)と心を観じて苦労を解脱せしめる仏様」である。巡拝することにより、観音さまのお導きをいただき、あなたご自身の、まことの宝をもとめて下さることを祈ります。
那須三十三所観音霊場会会長
三十番札所馬頭院住職 高野雅文 |