01   高根沢町     上高根沢     25.1.8     田園風景百選へ
とちぎのふるさと田園風景百選に高根沢町上高根沢が選定されている。
◆説明板には・・・・
◆高根沢町指定文化財 ◆史跡 おだきさん

ここ「おだきさん」は五行川の田園地帯に唯一残る湧水池である。
木立に包まれた清い湧水には小魚たちが群れ泳ぎ、その流れには芦や水草が茂ってのどかな水辺の風景を形づくっている。名称の由来は、廻谷に住む貧しくて美しい娘おだきさんの入水伝説によるもので、池のほとりには見目家の水に因む祠堂がある。「おだきさん」は、従前から大切な用水として地元民の共同作業で維持され、現在も水田水路として活用されている。五行川低地には、かつて各所に湧水池と流れがみられたが、各工事で時代と共に姿を消していった。その中で「おだきさん」は、在りし田舎の面影を感じさせる、ふるさと高根沢の代表的な面影といえよう。

◆「おだきさん」伝説 
この沼には、自然の豊かな恵みに感謝し、厳しい掟を守り支え合いながら生活してきた地域の人びとの思いが込められた水の伝説が残されています。

◆伝説 その1
この近くの庄屋さまの家に、おだきという名の娘が奉公づとめをしておりました。美人で働き者の娘でしたので庄屋様も大切に使い、まわりの人にもかわいがられておりました。庄屋さまには息子がおりました。いつしか、おだきさんは息子を好きになってしまいました。しかし身分の違いがおだきさんを苦しめました。その胸の内をだれにも告げることができず、おだきさんは息子への思いを断ち切ろうと、奉公づとめに精を出していました。やがて、庄屋の息子に縁談が持ち上がりました。しかし、相手はおだきさんではありませんでした。おだきさんはますます苦しみました。そして、庄屋の息子の華やかな婚礼の夜、おだきさんはとうとうこの沼に身を投げてしまいました。

伝説 その2
家は貧乏でしたが、美人で働き者の娘が一人でこの沼の近くに住んでいました。名をおだきさんと言い、この沼で魚を取って暮らしを立てていました。ある日、あまりにもたくさんの魚を取ってしまったために、沼の主の怒りに触れ、とうとうこの沼に引き込まれてしましました。廻谷の人たちは沼の傍におだきさんの墓をつくり、冥福を祈りました。その後、ここは「おだきさん」と呼ばれるようになりました。

高根沢町教育委員会
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