■説明板・・・
●山王治山林道完成の言葉
鬼怒川は本県最大の河川であり、本水系上流地域の整備は県政発展に直接関係があるばかりでなく、東京都をはじめ関東地方の災害防止に大きな影響を及ぼすものである。川俣地区は地勢地質の関係で崩壊地が多く、治山事業を早急に実施しなければならないが奥地僻遠の地であり、道路がないため工事用資材輸送の問題を解決しなければ実行不可能の状態であり、これを解決することは本協会の悲願であった。昭和34年横川知事就任にあたり、本協会常務理事である県治山課長若井真平君にこれを解決するため、各般の努力をつくし、光徳を起点とする7kmの既設山王林道を延長し、国有林山王林道北線に接続して鬼怒川から工事用骨材を採取する計画をたて、昭和35年治山事業付帯工事として着手したが、昭和36年から林道事業と合併施行となり、昭和38年既設山王林道改修を含めて16kmを完成しこの地区治山事業推進の基礎を拓いたものである。この工事日2億4千万円のうち、金5千万円を協力された市町村その他関係者の好意と深い理解を寄せられた国有林当局に対して心から感謝するとともに、並々ならぬ苦労を重ねられた工事施行者並びに治山担当県職員に深く敬意を表し完成の言葉とします。
昭和38年10月 社団法人 栃木県治山治水協会 会長 福田新作 |