■説明板・・・
●国指定重要文化財
旧羽石家住宅 昭和43年4月25日指定
元禄時代の農家
茂木町は、栃木県の東南に位置し、宇都宮市から東へ31km、茨城県の水戸市からは約36kmの八溝山系の中にあります。この家は、もとはここから約8km東南に当たる茂木町大字林にあったものです。
羽石家の由緒は明らかではありませんが、藁屋根の葺き替えの時に梁から棟札が発見されたので、元禄2年(1689)に建てられたことがわかります。
構造の変化
この建物は、平面積125.6平方mで、桁行16.4m、梁間7.9m茅葺(かやぶき)の寄せ棟造りです。解体調査によると、建築当初はさらに規模が大きく上手及び表側にも部屋が続き、室数が多かったことが明らかになっています。建築後比較的早い時期にこれらの室が撤去され、濡れ縁を廻して現在の規模に縮小されました。
その後大きな改造はありませんでしたが、大正12年上手2室に大改造が施されて床の間を新設し、天井を張り、柱を抜くなど座敷としての体裁が整えられ、さらに昭和以降に背面下屋と煙出しを設け、風呂場廻りや台所廻りが改造され、土間・上がり縁・下いろりなども新しくされました。解体調査の結果、腐朽個所や、後世の改変の個所も判明したので、現状変更の許可を得て腐朽個所を修理し、また部材を取り換えて、文化庁の指導を受けながら、昭和53年8月に復元しました。
平成7年2月1日 茂木町教育委員会 |