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乙女不動原瓦窯跡
22.4.4
■案内板・・・
●史跡 乙女不動原瓦窯跡(おとめふどうはらかわらかまあと)●指定年月日 昭和53年5月11日●指定面積 6,124.78m
乙女不動原瓦窯跡は下野国(しもつけのくに)の寒川郡(さむかわぐん)に位置し、古瓦が出土する遺跡として古くから注目されていました。昭和52年の確認調査や昭和63年から5ケ年にわたる発掘調査の結果、瓦を焼いた4基の窯のほか、工房(こうぼう)や粘土採掘坑(ねんどさいくつこう)・粘土溜(ねんどだめ)・瓦集積場(かわらしゅうせきじょう)・灰原(はいばら)など、瓦生産に関するさまざまな遺構(いこう)が発掘されました。また、出土品には丸瓦(まるがわら)や平瓦(ひらがわら)が多数ありますが、八葉複弁蓮華文軒丸瓦(はちようふくべんれんげもんのきまるがわら)や笵傷(はんきず)のある均正唐草文軒平瓦(きんせいからくさもんのきがわら)、文字の書かれた文字瓦(もじがわら)も見つかっています。ここで焼かれた瓦は、下野薬師寺や下野国分寺などの寺跡、あるいは宇都宮市の水道山(すいどうやま)瓦窯跡から出土した瓦と共通した特徴をもち、供給先や工人(こうじん)の動きを知ることができました。また、当窯跡には有牀式平窯(ゆうしょうしきひらがま)と呼ばれる最新式の窯がいち早く導入されています。このことからも、国家的な事業であった下野薬師寺の再建や国分寺造営の一躍を担った当窯跡の重要性を物語ることができます。