◆「酒野谷の長者の作男(従業員)二人は、14歳の美しい小娘が来たことによって、一生懸命働くようになった。娘(おとら)は作男の世話もするようになった。作男たちは気立てのやさしいおとらを嫁にしたいと思った。おとらに結婚の返事をせまったが、おとらは「若いから」と返事をしなかった。すると、作男たちはおとらに意地悪を始めた。思い切りいじめてやろうと待っていたとき、遠くで水のはねる音が聞こえた。音のした方に行って、渕をのぞくと赤い鼻緒のわらぞうりが渦のなかに吸い込まれていった。作男は泣きながらおとらの名前を呼びつつ川下へ川下へと走った。
おとらが身を投げた渕を「とらご(湖)」という。」というはなしです。
■左の写真は大芦川と荒井川の合流地点です。私の父はこの「とらご」を知っていました。昔の釣り人は知っているそうです。 |