■説明板・・・
●龍門の滝
龍門の滝は那珂川に注ぐ江川にかかる高さ20m、幅65mの大滝で、中段に男釜(おがま)・女釜(めがま)と呼ばれる侵食穴があります。
この穴は大釜・小釜とも呼ばれており、女釜は直径2m、男釜は4m以上もある大きな穴で、その深い深い穴いっぱいに青黒い水をたたえています。
この滝に伝わる伝説によると、男釜には物すごい主が住んでいるといわれていました。
近くにある大平寺の53代の和尚は、滝の上の大岩に、ささ竹を四方に立ててしめなわを張りめぐらし、祭壇を作ってその前にすわり、「もしも男釜に主がいるならば、その姿をあらわしたまえ」と、手にした数珠をおしもみおしもみ、三七、21日の間一心不乱にお祈りをつづけました。
21日目の満願の日の夕方のことです。今まで晴れていた空がにわかにまっ黒な雲におおわれ、あたり一面うす暗く物すごい、いなずま(稲妻)と共に大雷雨になり、目もあけていられないほどの雨風がドット吹きつけてきました。
すると滝つぼの波がグワット巻き立ったかと思うと男釜の中から大蛇があらわれいでて、大きな口から火えんをふき火の玉のように眼をかがやかせながら、ぐんぐんと太平寺をめざしてのし上がり、仁王門の屋根にぐるりぐるりと巻きついて7巻半して棟の上に大きな鎌首をのせました。だが、その尾はまだ男釜から出切れず釜の中に残っていたということです。それでこの滝を龍門の滝と呼ぶようになったといわれています。
烏山町(現那須烏山市) |