■説明板・・・
●足利市重要文化財(絵画) 三柱神社拝殿天井板絵
三柱神社拝殿の天井に描かれた彩色の板絵である。天井は漆塗りの格子によって112枚の格間(ごうま)に区画された格天井(ごうてんじょう)であり、100枚に百歌仙図、残り12枚に12カ月の花鳥図が描かれている。ここに描かれている歌仙は小倉百人一首に取り上げられている百の歌仙で、円窓内の下半分に彩色を用いて畳に座した歌仙の像が描かれ、上半分に墨書でその歌仙の名前と歌が書かれている。南西隅の12月には「庚申中秋 藤英悦(とうえいえつ)画」との落款があり。絵画の描かれた年が庚申年(1860)、描いた絵師が小藤英悦という人物であることが判明する。藤英悦は晏斎(あんさい)英悦とも言われ、幕末から明治にかけて佐野から足利東部地区で活躍した絵師で、明治期に歴史画家として有名となった小堀鞆音(こぼりともと)の父にあたる。百人一首を描いた天井板絵は近隣では類例が少なく、保存状態も良好で貴重な絵画である。
平成18年3月24日指定 足利市教育委員会
※説明板は小堀鞆音(こぼりともね)となっているが(こぼりともと)が正しいようです。 |