●案内板
弓削道鏡について
いまを去る1200余年前、奈良時代の高僧・弓削道鏡の墓所が当所です。道鏡は若くして仏道に精進し、厳しい修行を積み重ね、高度な医学も身につけた立派な人です。
孝謙天皇に仕えて十年余り、天皇が崩御されますと、上層社会に権力を振るう者たちの陰謀によって、ここ下野薬師寺別当職に移されました。道鏡は、都を遠く離れたこの霊場において、天皇のご冥福と人々の幸せを祈りながら、772年4月7日不遇の生涯を閉じました。
従来の正史は、その時々の権力者の都合で記されたもので、決してありのままでなかったことを遺憾に思います。私たちは、歴史の真実性を尊重する立場に立って活躍された故・横嶋斜月先生や、故・古田清幹先生の遺志を受け継げ、道鏡禅師の更なる顕正をめざします。
1994年4月7日 道鏡を守る会 |