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大師の硯石 たいしのすずりいし
石山の山腹に「硯石」と呼ばれる硯の形に似た石があり、空海が加持祈祷を行った跡といわれ、硯石に溜まった水は、どんな日照りのときでも涸れることがないといわれる不思議な石です。また東麓には祖父石・祖母石・孫石という三つの石がありますが、その由来はわかりません。また東麓には第2次大戦のとき、軍需工場建設のために壕が掘られましたが、終戦と共に中止となりました。
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空海の洗水池跡 くうかいのせんすいいけあと
「地蔵尊」の近くには小さい池があり、空海がここで沐浴をしたと伝えられ、日照り続きのとき、ここで雨乞いをすれば、雨が降るといわれていました。この付近は湧水が多い所ですが、粟野街道工事のときに造成されて、昔の面影はなくなりました。洗水池は泉水池のことでしょう。
場所がわからないので、石山の南麓、塩山地区にある池を載せました。石を切り出した後のため池? |
空海の座石・姥母石 くうかいのざいし・うばいし
石山の頂上は眺望がよく、男体山・古賀志山・筑波山などを見渡すことができ、ここに高さ約9m、周囲約23mの大石があり、「空海の座石」とか「姥母石」とかいわれています。その由来は、昔、この石山の近くの家に、生まれて間もなく両親を失った赤子が、祖父母に育てられることになりましたが、母乳がなく困り果てていたところ、たまたま通り掛かりの婦人がこの子を哀れに思い、この家に滞在し、姥母としてこの子を育てることになりました。しかしこの子の成長を見届けるや、姥母が突然姿を晦(くら)ましてしまいました。その後、この子が姥母を忘れられず、その厚恩に報いるために、たまたまこの地を訪れた高僧の空海にそのことを話し、石山の頂の石に仏像の彫刻を懇願したところ、空海はその孝心の深さに感じ、その石の周囲に16体の羅漢の仏像を彫刻し、石の上で護摩祈祷を行ったという言い伝えがあります。その他、山麓には日限地蔵尊(首なし地蔵)、虚空蔵、天神宮などがあり、昔から霊場として信仰された所です。石山は千葉省三の童話作品「鷹の巣とり」の舞台にもなっている所です。 |
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千葉省三の「けんか」
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