■説明板・・・
●賀蘇山神社遙拝殿(がそやまじんじゃようはいでん)
この奥、険しい山道を登ること3km、尾鑿山(おざくさん)直下に岩屋があり、そこに祀られている御本社を拝むための建物が、この賀蘇山神社遥拝殿である。大人の健脚でも90分を要し、また女性の入山が禁止されていた時代もあり、ここからはるか山頂を拝んだものである。この遥拝殿は3間(約5.4m)四方の宝形造りで、正面に向拝を1間設けている。別名を下の宮ともいう。総欅(けやき)造りで精巧荘厳な彫刻が四囲に配される。元禄14年(1701)に完成したこの遥拝殿は、実に60年の工期を要したといわれる。寛永11年(1634)、日光東照宮を修築した日本屈指の棟梁、彫工たちによって寛永18年頃から着手、中には父子2代にわたり造営に当たった者もいたといわれ、その苦心のあとがうかがわれる。彫刻のうち最多のものは龍で40頭を数え、東西と北面を埋めている。四隅を守る獣は獅子と象であり、正面欄間にはかわいらしいリスとぶどうの透かし彫りが見られる。平成10年度に、栃木県と粟野町の地域文化遺産保護事業により屋根のふき替えを行った。
昭和45年5月1日指定 粟野町有形文化財
粟野町教育委員会(現鹿沼市) |