説明板・・・
那須烏山市の近代化遺産
境橋
■分類:交通・通信/道路橋
■所在地:那須烏山市宮原地先
■建造年:昭和12(1937)年
■構造形式:RC(鉄筋コンクリート)オープンスパンドレルアーチ
境橋は、主要地方道常陸太田・那須烏山線の那珂川に架けられた橋長112.5m・幅員6.1mの上路式RCオープンスパンドレルアーチ橋です。現在の橋は3代目で、初代は明治30年に舟橋が、2代目は大正9年に洋式木橋が架けられましたが、度重なる洪水による被害への対応から永久橋への架け替えが昭和10年の第39回通常県議会で決議されました。設計者は、関東大震災後の帝都復興局橋梁課長として隅田川橋梁群の設計・積算や、美橋と知られる聖橋など百数十橋を手がけた当時における橋梁設計の第一人者・成瀬勝武です。橋脚上には半円形のバルコニーが設けられるなど意匠性と希少性に富み、また、那珂川屈指の景勝地に調和した優美な景観から、平成19年土木学会選奨土木遺産にも認定されています。
●豆知識
■オープンスパンドレルアーチ
路面とアーチの間の部分をスパンドルといい、板や柱等によって間隙を設けた構造形式をオープンスパンドレルアーチと呼んでいます。
■全国のRCバルコニー付きアーチ
近代におけるバルコニー付RCアーチ橋は、兵庫県の武庫大橋、山形県の最上橋など、全国で数例しかありません。
■成瀬勝武著「弾性橋梁」
戦前土木名著100書に選ばれている「弾性橋梁」には、境橋設計書が31ページにわたり紹介されています。
●写真の説明
「雪の中の境橋」 小松原千穂さん 撮影
平成19年度残したい風景〜からすやまフォトコンテンスト〜入賞作品
●認定書
土木学会選奨土木遺産
認定書
境橋
右は全国に数例しかないバルコニー付きRC開腹アーチ橋で稀少性に富み景勝地に橋梁が融合した新たな地域の景観美を創出しています。本学会ではその歴史的土木施設としての高い価値に照らしてここに平成十九年度土木学会選奨土木遺産と認定致します
平成十九年十一月一日
社団法人 土木学会
会長 石井弓夫 |