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鹿沼の地名 19 西大芦


●鹿ノ入
鹿野は焼畑のことで、入は奥の方、山のふもとのことです。焼畑は、わが国のみならず広く行われた農耕の一方法で、現在でも東南アジアの各地でこの焼畑耕作が行われています。これは山野の草木を焼きはらい、切り開いて畑とし、この灰が肥料となって、あわ、ひえをまき、その翌年にそば、翌々年には大豆と順次耕作し、数年後にはその場所を残し他所に移り同じ方法をくりかえしたものです。
草久 姫宮神社  草久 鹿ノ入橋  草久 

●塩沢
塩の地名は食塩と鉱泉とに関係があります。塩谷、塩原などはその代表的な地名で、ここ塩沢にも鉱泉がわきだしたので地名となったようです。小来川にも塩ノ原、塩手が原、塩坪などの地名があり、鉱泉がわきだしています。
草久 塩沢橋の下流  草久 塩沢橋 塩沢橋を渡ったところのお堂 

●石多々羅、蕗平、金山前
タタラは火をおこすときに用いるフイゴのことであり、蕗(ふき)は吹きで、製錬の際に風をむきこむことです。金山は金山神社のことで、タタラ師、鋳物師、鍛冶師の氏神であり、古くはこれらの職種は分業でなく一つのものであったということです。ここ大芦の山並み続きに足尾がありますが、この大芦の芦と足尾の足にも何か関係があるものではないでしょうか。
草久 蕗平  草久 東大芦川 川中島橋近く お堂 草久 蕗平橋の下流  

●岩鼻、内倉
岩鼻は岩の出ぱったところ、岩の先端のことで、引田には岩花の地名があります。倉は露出した岩石のことですが、谷、がけの意味もあります。倉の地名は上大久保字藤倉、板荷字藤倉、笹原田字元倉、加園字荒倉などがあります。
草久 古峯神社  草久 護国神社 草久 不動堂

●大久保(窪)
大久保の久保は窪のことで、窪はまわりが高く、中央が低い地形のことで、鹿沼市には大字に上大久保、下大久保、栃窪があり、久保の小字は九十三あり、その分布をみますと北西部に多く、南東部に少ないようです。
上大久保 神舟神社前   下大久保 シダレザクラ  栃窪 薬師堂