芳賀町は、宇都宮市の東側にある人口17,000人余りの町です。芳賀町と隣の高根沢町にまたがって、ホンダの大きな工場があります。しかし、町としては、農業が主流なのだと思います。
芳賀町の道の駅の隣には公営の温泉があり、「ロマンの湯」と名付けられています。 このいわれは、夭逝した画家の青木繁と女流画家の福田たねのロマンスに拠っています。
福田たねが、芳賀町の出身なのですね。福田たねは、日光にあった五百城文哉の画塾に入門しました。小杉放菴らと同門ですね。その後、青木と知り合い、恋人になります。青木の傑作、「海の幸」に一人だけ白い顔で描かれている女性が、福田たねだと言われています。青木との間に、男の子が産まれますが、この子どもが福田蘭童です。
福田蘭童は、戸籍上福田たねの末弟とされましたが、尺八の名手になり、「笛吹童子」のテーマ曲を作曲します。青木は、たねの縁者の家で、「わだつみのいろこ宮」を制作しますが、その下絵が栃木県立美術館にあります。青木は、この作品を東京府勧業博覧会に出展しますが期待通りの結果が得られず、故郷の福岡県久留米市に帰って、病死してしまいます。享年28歳でした。福田たねは、後に結婚し83歳の天寿を全うします。
写真は上から
・長命寺・・・・下野三十三観音札所第15番
・常珍寺・・・・下野三十三観音札所第16番
・城興寺・・・・延生の地蔵尊の寺
・高宗寺