■岩舟町は栃木県南部にある、人口19,000人余りの町です。町を国道50号と、JR両毛線、東武日光線が通り、東北自動車道の佐野・藤岡ICの近くで、交通の便は良いと思います。岩舟町の東側には、万葉集に歌われた三毳山(みかもやま)があり、現在は公園として整備されています。
この岩舟町は、慈覚大師円仁の出身地です。円仁は、794年に生まれ、15歳で比叡山に入り、最澄の弟子になります。円仁が43歳の時に遣唐使に同行して唐に行きます。それから9年半、中国国内の仏教の聖地である、五台山に行って修行を積み、長安にも行って更に修行を積みます。 その間、「会昌の廃仏」と呼ばれる皇帝武宗による仏教弾圧の苦難にあい、苦労を重ねます。
こうした唐での様子を綴ったのが、「入唐求法巡礼行記」です。玄奘の「大唐西域記」、マルコポーロの「東方見聞録」と並んでこの「入唐求法巡礼行記」は3大旅行記と言われています。かつて、アメリカの駐日大使を勤めたライシャワー博士は、円仁の研究家としても有名ですが、博士の論文の中で、この3旅行記の中でも、他の2つとは比べようもないほどの歴史的価値があると述べているそうです。
唐から帰国した円仁は、比叡山に戻り、天台座主の地位に就きます。864年に亡くなりますが、死後2年の後に朝廷から「慈覚大師」の称号を、最澄の「伝教大師」と一緒に贈られます。
岩舟町には、慈覚大師ゆかりの「大慈寺」と言うお寺があります。ここも、以前から行きたいのですが、まだ実現しておりません。
写真は上から
◆大慈寺 慈覚大師像
◆大慈寺 大師堂
◆村檜神社(大慈寺の隣にあります。)
◆高勝寺楼門