古くからの城下町ですが、江戸時代になってから足利氏の子孫が領主となり、明治まで続きました。城跡は、今「お丸山公園」として、斜行エレベーターや展望タワー、公営温泉などの施設が作られています。
喜連川町に温泉が出たのは、昭和50年代の事です。当時の町長さんが、それこそ政治生命を賭けて掘削に取り組み、見事温泉を掘り当てたとのことです。その温泉によって、県内では最初の公営温泉を作りました。
今では、県内の各市町村に日帰り入浴を楽しめる公営温泉ができていますが、この喜連川の公営温泉が正にその草分けとなった訳です。そして、簡易保険や国民年金の保養施設も設置され、観光地としても整備されました。
更に、「温泉茄子」と「温泉パン」と言う新たな名産品も開発されました。この温泉茄子は温泉を利用した促成栽培の茄子で、肉質が柔らかく色艶も良くて美味しい茄子です。温泉パンは、重みのあるしっかりとした味わいのパンで、時々喜連川を通ると買って食べています。温泉がどのように利用されているのか分からなかったのですが、この稿を書くに当たって調べてみたら、温泉が掘削されたのを記念して付けた名称で、特段温泉を利用している訳ではないそうです。
この外、最近では、国道293号沿いに、温泉施設付きの「道の駅」ができるなど、ともかく温泉を活用しての町づくりは、素晴らしいアイディアだと思います。
この喜連川町も、あと4日後の3月28日には、氏家町と合併して、「さくら市」になります。今朝の新聞には、合併して喜連川地区が寂れるのではないかと懸念される記事が載っていました。喜連川市街の桜並木をイメージした市名のような気がします。頑張って欲しいと思います。