藤岡町は、県の南端にある、人口18,000人余りの町です。南は茨城県古河市、埼玉県北川辺町、西は群馬県板倉町の3県に接しています。1つの町が、3県に接していると言うのは、全国的にも珍しいかな〜と思っています。
町の南部に、3,300haに及ぶ広大な渡良瀬遊水地があります。渡良瀬川は、明治18年以降何度か下流域を大洪水が襲いました。この洪水は、上流の足尾銅山の鉱毒を含んだ水であった事から、 農作物への被害が広がり、このため、遊水地を造ってこの洪水を防ごうと計画され、当時あった谷中村全部を廃村として造られたものです。
当時の谷中村380戸の農家は、全てが立ち退きを余儀なくされました。足尾鉱毒事件に反対をしていた、田中正造はこの谷中村に移り住んで計画の反対を唱えますが、強制的に廃村が行われました。
現在の渡良瀬遊水地は、過去のそのような歴史とは違って、運動施設などが整備されて明るい雰囲気になっています。藤岡町の西端に、東北自動車道の佐野・藤岡インターチェンジがあります。この、ICの近くに、標高229mの三毳(みかも)山があります。広大な関東平野の中に、ポツンと聳えている感じの山で、万葉の時代から歌にも詠まれていました。しもつけぬ みかもの山の こならのす まくわしころは たかけかもたむ万葉集の巻14に東歌として載っている歌です。現在は、山全体を県が公園として整備し、山頂近くまでバスが走っていて、手軽に登る事ができます。